ザ・イヤフォン・レビュー

イヤホンをレビューしています。

B00ZE3V2BO

ソニー SONY イヤホン MDR-EX250 : カナル型 ブラック MDR-EX250 B

 

おすすめ度*1

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ASIN

B00ZE3V2BO

 小型のハウジングで耳になじむ。遮音性はそこそこ高く、音漏れもほとんどない。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、携行ケース。細身のケーブルのタッチノイズはほとんどない。

 

 

【2】音質

 広がりへのこだわりを感じる音質。全体的になめらかで、しかし緻密さを失っていない。そしてイヤホンという耳に近い機器でありながら、音の圧迫感を感じさせない、痛いとことも刺さるところもない鳴り方。全体的に優雅さを感じさせ、耳に優しい。そのせいかややおとなしく、量感は感じづらいが、耳が慣れてくると味わいが増してくる印象だ。どちらかというと低域寄りでドンシャリイヤホンという分け方になるかもしれないが、ドンドンした感じのない低域とシャリ感はあまりなく力なく消え入る感じが強い高域の特徴を考えると、ドンシャリという表現はややこのイヤホンの印象とは異なるだろう。

 

[高音]:高域はやや天井感がある。明白な頭打ちは感じないが、それでものびやかさには若干欠ける印象(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:ピアノは柔らかく、ポロンポロンという優しい鳴り方。全体的に中域は広く、奥まった感じでスカスカしているところはある。

[低音]:全体的にやわらかい弾みを感じ、地鳴りに近い空間下方向に広がる鳴り方100hz~20hzまで素直な減衰で40hz以下はほぼ聞こえない。荒れた振動域はなく、下へはかなり深掘りされて聞こえる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:とにかく広い音場。全体的にのびやかで奥行きを感じさせ、圧迫感はない。最初の印象では音が遠く小さく感じられるが、耳を澄ませると音像ははっきりしており、澄み渡るといった感がある(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:精度は高く、意外と鮮明に聞こえるが、全体的に強調されないので、曲調はどれも比較的穏やかに感じられる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:やや暗く感じられるが、中低域は活き活きしている。高域は若干弱い。

 

【3】官能性

 分島花音「killy killy JOKER」は弦楽がやや控えめでパーカッションが目立ち、疾走感強めに感じる。低域も重みを直接伝えてくるというよりは重みから発せられる衝撃波と地鳴りが伝わってくるような実感があり、空間性が感じられる。

 多田葵「灼け落ちない翼」は広くスカスカしてしまうところがあり、ボーカルが孤立している印象に聞こえる。全体として空虚で寂しく感じられる。ボーカルのサビでののびやかさも力強さや明るさがうまく出ていないような感があり、やや元気なく感じられる。

 ZAQ「Inside Identity」はイヤホンによっては圧迫感が強い曲だが、このイヤホンでは全く圧迫感を感じず、やや広めの部屋でスピーカーを並べて聞いている印象。すっきり気味で全体的にやや暗く感じられる。量感の強いイヤホンになれていると、味気ないようにも思えるが、聞き疲れするところはなく、よく聞くとアタック感などは結構しっかりしており、ミニチュア的ではあるものの、満足度は高い。

 Rasumus Faber「Eternal Wind JAZZ Ver.」の低域はかなり上品で、空間演出に注力しており、リズム感は控えめ。ピアノが鮮やかかつ優雅で品格がある。やや迫力と量感が不足して感じられるが、やや離れたところから聞いているような空間の広さは秀逸。

 

【4】総評

 低価格イヤホンでは随一といっていいくらいの広い表現が魅力。一般的なイヤホンと比べるとおとなしめに感じるので、最初は味気なく感じるが、聞き慣れてくると、聞き疲れせず、ほどよい繊細さもあり、気に入れば他のイヤホンとは明らかに違う魅力に気づく。好みは分けそうであるが、低価格とは思えない空間表現力を持っているのは事実で、それだけ考えればコスパは悪くない。が、広さに偏りすぎているところもあり、万人向けという感じではない。

 

 

 

【5】このイヤホン向きの曲

 全体的に圧迫感がなく、この曲の切迫感はあまり感じないかも知れないが、音の定位感は秀逸でじわじわとくるものがある。

 

 サビ後の空間的な中毒性はなかなかにうまく出る。低音の表現も空間性重視のこのイヤホンに合う。

 

 低域が広さを表現し、各楽器の鳴り方も低価格とは思えない繊細さがあり、オーケストラサウンド向きといえる。

 

ソニー SONY イヤホン MDR-EX250 : カナル型 ブラック MDR-EX250 B

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

B00R3V8524

ZERO AUDIO ハイレゾ音源対応 カナル型イヤホン DUOZA ZH-DWX10

 

おすすめ度*1

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ASIN

B00R3V8524

 空間表現の良さと高低のバランスの良い音域の鳴り方が丁寧な味付けになっていて、しかもミドルレンジの価格設定で手が出しやすい、個人的に注目しているメーカーがZERO AUDIO。そのZERO AUDIOの万人向け決定版と個人的に思うのがこのZH-DWX10だ。

 ZERO AUDIOらしいシンプルなハウジングでありながら、何気なく色分けされていて工業デザインとしての洗練を感じさせる、その付け心地は耳に優しく自然に収まる。

 耳にしっかりはまるせいか遮音性もなかなかに高く、音漏れも思ったより少なめ。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、携行ケース。ケーブルのタッチノイズはほとんどない。

 

 

【2】音質

 音質は全体的になめらかでのびやかであり、広く、高低もスムーズ。低域は膜を作る弾力のあるタイプの音で、中高域を邪魔せずに熱量と空間の広さに素直に貢献する。粘ったり硬く反響する音ではないので、ドラムはかなり柔らかいが、熱を空間全体に広げる存在感がある音だ。以前レビューした、こちらもお気に入りのひとつ、ZH-BX700は空間表現のよさは共通していたが、高域中心にややキラキラするところがあり精彩が強かった。それに対し、こちらはより丸く自然に近づいた印象で万人向き。ハイハットの粒感もかなり鮮明なので、場合によってドライさもよく表現される。

 

[高音]:なめらかでのびやかに広がる高域は個人的にかなり好み(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:鮮明度も高く、存在感はしっかりしながら広さを感じさせる良質な表現。空間を満たす空気感がかなりうまく出ている。

[低音]:ややブーミーで素直に減衰するが、50hz以降は少し沈み込む低音。締まり過ぎない厚みを持った振動音で、空間下方向全体に広い生命的な膜を作る。中高域を邪魔しない(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:広く、そして高い。下方向は明確な床というよりは、柔らかい弾力膜、上方向も自然に消え入っていく高さがある(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムの熱量はやや高め。弾力はそこそこで下方向に地熱を沈ませるが、圧は失われず生き生きしている。ハイハットの粒感も秀逸で耳に小気味よい(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:つやつやなめらか。みずみずしくのびやか。ドライなハイハットなどに影響されない一貫性があり、非常にクリアに感じられるが、透明感は利きすぎる感じではなく、自然。

 

【3】官能性

 KOKIA「One by one, Day by day (The 5th season concert ver.)」は澄みやかでのびやかなボーカルとコンサート会場のライブ感空気感がうまく出ている。精密でありながら尖りすぎない音の色彩は自然に空間に溶け込んでいく。とりあえずこの表現力に文句なし。

 ROUND TABLE featuring Nino「Rainbow」はイヤホンによっては弦楽の密度と彩度が強く出過ぎて近く鳴りすぎることがあるが、このイヤホンは弦楽の色彩感を出しながら広さも表現しており、かつボーカルと楽器の一体感も失われていない。ドライでハスキーでありながら暖色の優しい色合いのボーカルがまた叙情的で美しい。

 nano.RIPE「月花」はドラム表現が絶妙。硬くなりすぎず、ぼやけすぎず、重すぎず、跳ねすぎず。生命的な膜を張って弾力あるリズムをもたらし、ボーカルと空間に生々しさを加える。この生命的な音色はこの曲の独白のような味わいに「cogito ergo sum」の実感を加えており、説得力を増して世界観を確かなものにしている。

 

【4】総評

 バランス良い音域表現、広い空間表現は秀逸だが、何よりこれで1万円を切る価格で手に入るというのがうれしい。味付けも万人向けで多くの人にとって納得の音質のはず。コスパは文句なく最強クラスで、しかもデザイン的にも奇を衒ったところはなく、手堅くまとめられていて品があってビジネススタイルの服装にもスポーツスタイルやラフな服装にも合う。同価格帯ではもはや死角なしといえるほど優秀なイヤホンだ。

 

 

 

【5】このイヤホン向きの曲

 濃厚な空気感、ブンブン言い過ぎずに生命的な色彩を失わない低域、のびやかで鮮やかなみずみずしいボーカル。ライブ感のある充満した空気も感じられる。

 

 キンキンしないピアノが色彩だけを丁寧に加え、繊細な暖色ボーカルを精緻に表現している。全体的に生命的で良質。

 

  鮮やかな季節の移り変わりを広い空間を支配する生命的な低域が表現する。生まれ散っていく命の移ろいが生々しい実感を伴って伝わってくる。

 

  こちらもライブ空間の濃密な色彩が感じられる。空間に溶け込んでいくボーカルと鮮やかなアコースティックギターのサウンドが全てを満たしてくれる。

 

ZERO AUDIO ハイレゾ音源対応 カナル型イヤホン DUOZA ZH-DWX10

 

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B01KUTGHPW

Joly Joy®布目Bluetooth4.1スピーカー ワイヤレス ポータブル音楽プレーヤー 高音質 A2DP対応 マイク内蔵 USB充電 ノイズキャンセリング技術 省エネ (ディープブルー)

 

おすすめ度*1

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ASIN

B01KUTGHPW

 Bluetooth対応の布目ワイヤレススピーカー。単色構造で落ち着いたデザインなので、インテリアとしてもそこそこ魅力的。

 通信性能的には遅延はほぼなく、動画鑑賞などには問題ない。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はUSB充電ケーブルとAUX入力ケーブル、日本語含む多言語マニュアルが付属する。

 コントロールパネルは本体上部、スイッチやAUX接続部、充電ケーブルコネクタは背面に設置されている。

 

【2】音質

 音質的には比較的滑らかで中域だけやや粘りのある音を出す。ガチャガチャしたところや低域ばかりが目立って振動することはなく、比較的クセの少ない音で、曲による当たり外れはほとんどないものの、奥行き感などには乏しく平面的な音響だ。リズムも強く出ないので、全体としてあっさり味に聞こえる。

 

[高音]:高域はかなり塩味。演出が少なく自然な反面、のびやかさなども特に感じられない(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:中域はやや粘りのあるコシのある音だが、平面的。奥行き感はそれほど感じられず、平面的。比較的聞きやすい音ではある。

[低音]:低域はかなりおとなしく淡い。60hz以下はほとんど鳴らないので全般的に表現が軽くなる傾向にある(分島花音「killy killy JOKER」、UVERworld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:全体的に平面的で奥行き感や高低を感じない(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:布地を通しているせいか、かなりエッジがとれた滑らかな音になるので、粒感は出にくいかも知れない。全体として丸く柔らかい(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルもどちらかというとやわらかく、自然な感じで演出は少ない。精彩感では若干もっさりしているように感じる。

 

【3】官能性

 分島花音「RIGHT LIGHT RISE」は高域の金管音などが抑え気味に聞こえるせいかだいぶ篭もって聞こえてしまう印象がある。スピーカー自体に耳を近づけると全然違った印象だが、適正距離だとかなり落ち着いた印象になるだろう。

 鹿乃「ディアブレイブ」は個人的には悪くないが、好みは分けそうだ。楽器音がかなりおとなしめになり、ボーカルがよく聞こえる味付けになり、多様性が若干失われた代わりに声色中心でわかりやすい展開に聞こえる。

 ROUND TABLE featuring Nino「夏待ち」は中域の叙情感が非常にうまく出ていて、素直に良い。低域も自己主張しないが、演出がしっかり感じられ、響きすぎないのでうるさく感じない。素直に良質。

 ClariS「CLICK」のような情報量の多い曲ももっさりしている。スピーカーに耳を近づけてよく聞いてみると、細かい表現もそこそこ出ているのだが、布地を通しているせいか全体的に柔らかく、やや遠く感じられる。低域の重みなどもだいぶ弱まって聞こえるので、全体として落ち着いている印象。

 

【4】総評

 布張りされたドライバーの鳴り方で大きく好みを分ける。最近は布張りされたスピーカーは珍しくなってきたので、音の露出のスピーカーに慣れていると、単純な量感不足と篭もった印象を受けやすい。一方で、全体として落ち着いてどんな曲でも聞きやすいという美点があり、リラックスして音楽を楽しみたい人には悪くない選択肢だ。とくに中域で弦楽やピアノが鮮やかに聞かせる曲に自然で美しい味わいがあり、強みを感じる。

 

Joly Joy®布目Bluetooth4.1スピーカー ワイヤレス ポータブル音楽プレーヤー 高音質 A2DP対応 マイク内蔵 USB充電 ノイズキャンセリング技術 省エネ (ディープブルー)

 

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B01LYKCT9Y

AudioMX ヘッドホン 重低音 密閉型 オンイヤー 折りたたみ式 リモコン・マイク付 ハンズフリー通話 有線式 黒 HS-G5

 

おすすめ度*1

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B01LYKCT9Y

 六角形のイヤーカップ、独特の紋様がオシャレなヘッドバンドを備えたファッションヘッドホン。材質的には軽量なプラスチックを利用しているので付け心地は非常に軽い。遮音性はそれほど高くなく、音漏れもかなり普通に漏れる。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 本体にインターフェースと呼べるものはほとんどなく、ケーブル接続部があるだけ。インターフェース類は着脱式ケーブル中途に簡単なコントロールパネルがついており、iPhoneやAndroidで操作ができるようだが、当たり前だがPCでは反応なし。

 

【2】音質

 音質としてはゆったりもったりした全体として重厚な感じではあるが、低域は深い感じで圧迫感のない下方向の空間を感じさせるもの。全般的なドライな味わいが強調されており、ロック調の曲は特にザワザワしたシャギーが目立つ感じではある。そのせいかしっとり気味の女性ボーカル曲では声色がややかすれがちで粒の粗い感じが出てしまいやすい。一方で粒のあるパーカッションが活きる曲は細かなスパイスがよく効くので、味わいやすい。

 

[高音]:全体としてざらついた感じはぬぐいがたく、高域は残響感などがうまく出にくい(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:ほどよく距離感があって圧迫感を感じさせない空間を表現する中域。パーカッションや金属的な音はうまく出るものの、全体としてざらっとした感じはある。
[低音]:自己主張する感じではなく、深みを感じさせて空間性と中高域に被らない演出を加える比較的良質な低域。60hz~50hz付近に一応の床があるが、それ以降も減衰はゆっくりで急激に消失しない。そのため深みが感じられる低域となっている(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、Round Table featuring Nino「Rainbow」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:圧迫感を感じないほどの広さがあり、低域は深く、ボーカル周りにほどよい分離された空間が感じられる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:粒度の高い表現でドライな感じがよく出るので、スパイスとパンチの効いた表現になっているのは魅力的(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:全体としてドライ。透明感はやや減じて表現されやすい。

 

【3】官能性

 nano.RIPE「スターチャート」はかなりドライ。全体としてパーカッションとベースがよく効いてビターなサウンドが強調されている。ボーカルのみずみずしさ、表現の多様さは若干減じているように思うが、それを補って余りあるドライサウンドの表現にはなかなかの表現力を感じる。

 分島花音「world's end, girl's rondo」も全体的にドライ。ヘッドホンによってはこの曲は低域ばかりがドカドカと目立ちやすいが、このヘッドホンは深い方向での低域表現になるので、低域が中高域に被ってこず、この曲の魅力である空間表現を減じていない点は評価できる。

 山崎あおい「花火のあと」も塩味風味。全体的にギターの表現がドライで、ボーカルは息遣いや潤いが減じているので、ちょっと大人びた、感傷をある程度冷めた意識で相対化できているような、大学生くらいの年齢を感じさせる曲になっている。原曲はどちらかというと思春期の純情と実感を歌っていると思われるので、表現としてはずれているかもしれないが、悪くはない。ピリッと辛味が利いているがその味わいはあっさりしている。

 早見沙織&東山奈央「Hello Alone」は全体として飾り気が減った、薄味になっている。アニメ曲はキラキラした表現を多用するものが多いので、そうした曲は単純に味が薄まってしまい、全体としてさっぱりしてしまう。この曲の魅力である、中高域でのつやつやっとしたアニメ声ボーカルの絡み合いも、ザラザラ感が出てしまうせいで物足りない。

 

【4】総評

 ドライな音質表現と深みのある良質な低域がほどほどの値段で楽しめるのが魅力的なヘッドホン。外観的にはファッションホンといった感じで、デザインの好みが分かれるところがあるかも知れないが、使い勝手自体は悪くない。コスパという面で言うと、クセがある音質ではあるものの、標準レベルは十分伴っており、価格なりの品質は十分に感じられる。ドライでエッジの利いたロック向けだが、一方でそういった傾向の人はもっと低域が近く腹に落ちてくるくらい重い方が好みという人が多い気がするので、意外とこのヘッドホンを気に入るという人が少ないかもしれないということだけは残念ではある。

 

AudioMX ヘッドホン 重低音 密閉型 オンイヤー 折りたたみ式 リモコン・マイク付 ハンズフリー通話 有線式 黒 HS-G5

 

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B0093VVPM4

ZERO AUDIO インナーイヤーステレオヘッドホン カルボ バッソ ZH-DX210-CB

 

おすすめ度*1

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ASIN

B0093VVPM4

 一部例外を除いてZERO AUDIO製品全般に言えることだが、正直外観デザインはチープ。装着感は悪くないが、LRはわかりづらく、毎回装着するときに確認する必要がある。遮音性はそこそこ高く、音漏れはほとんど目立たない。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、携行ケース。細身のケーブルのタッチノイズはほとんどない。

 

 

【2】音質

 音質的には高域は伸びやかでしなやか、空間に溶け込むように消失し、すっきりしている。中域は広めでやや柔らかめの耳当たりがよい味付けで、低域はゼロオーディオ製品全般に共通する、膜を張るようなやや粘る弾力のある音で自己主張は強くないが、存在感がある。何よりも素晴らしいのはそのバランス感覚で、音域の高低のバランス、左右と空間のバランス、ボーカルと楽器との距離関係と一体感に優れており、どんな曲でも大抵過不足なく聞くことが出来る万能さがある。どんな曲でも不満を感じづらいイヤホンというのは多くはないもののそれなりの数はあるが、どんな曲でも一定以上の満足感が得られるイヤホンというのはあまりない。それが低価格帯ともなればなおさらである。

 

[高音]:のびやかで上方向にきれいに消失する。空間との親和性が高く、浮き上がることなく、天井も感じさせない(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:中域も広さを良く表現する。ピアノはやわらかく繊細さを感じる表現だが、弦楽にはのびやかさとほどよい厚みがあり、しかも弦楽中心の曲でもそれが目立ちすぎない品格ともいえるバランス感覚があって驚く。

[低音]:ほどよく弾力と反発感もあるが、硬くなりすぎずに空間に抜ける、やはり空間との調和性を感じる音。振動にはやや厚みがあり、100hz~40hzまで自然な減衰をするため、深掘り感もよく出る(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:全体的に広い。上下も境を感じさせないが、高域が空に抜けていく消失感があるのに対し、低域は一定の床面を感じさせる。ドームのような広い球状の空間を感じる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:立ち上がりとアタック感が良好で必ずしも自己主張は強くないが、利きはよく、曲に塩味や酸味をうまく加える印象。ドラムは弾力的でズバンズバンといった色合い。重低音という言葉から想像されがちなドンという硬い重い音とはやや異なるのは留意が必要かも知れない(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルは伸びやか。ハイレゾ対応なんじゃないかと思うくらい高さと自然な抜けの良さを感じる、サビできれいに上へ伸び上がる表現は一級品。戻ってくる声色もつややかで、全体的にしなやかさを持っている。

 

【3】官能性

 分島花音「killy killy JOKER」はガチャガチャしがちな曲だが、このイヤホンはそつなくこなしている印象。弦楽が伸びやかで元気よく、ボーカルの力強さとコシ、のびやかさも出ていて、元気よく、重苦しさ・暗さがあまり感じられず、ポップな感じが強調されていて、ゴシックな雰囲気はフレーバーにとどまっている印象。それなら味気ないかと普通思うのだが、弦楽を始めとする表現が優麗で、世界観はうまく出ており、納得させられる。

 いきものがかり「未来惑星」はボーカルが元気よくのびやか。消失感も綺麗で変な余韻無く空間に溶け込む。ドラムは弾んで躍動的であり思わず耳が向く存在感があるが、支配しすぎない。演出音も過剰感なく空間に密度を加える表現で、ボーカルを邪魔せずに全体として調和が取れた世界観を表現している。

 Rasumus Faber「月の繭 JAZZ Ver.」は豊かな低域がのびやかで広い空間を作り出し、その上にピアノが繊細かつ優しい、月影を思わせる色づけを丁寧にしていく。パーカッションのハイハットは粒感良好で自己主張しすぎず、静寂な空間に星々の宝石のような小さいながらも強い輝きをまぶすように、彩りを与えている。虚空の中に自己主張せず、しかし存在感と神々しさを感じさせる月の姿がありありと浮かんでくる。

 

【4】総評

 とても5000円未満の価格帯のイヤホンとは思えない、バランス感覚の良さ、表現力の高さがあり、1万円クラスの製品とさえ渡り合えるほどの恐るべきコスパを感じる。一方で無駄を削ぎ落としたところが見られ、やや安っぽい外観デザインや使い勝手の面での配慮の少なさなどはあるが、価格を考えればこれもわずかな不満をこぼす愚痴・当てこすりでしかない。ただもう少し手を伸ばすと同じメーカーでハイレゾ対応かつデザインもゼロオーディオにしては珍しくかっこよく機能的な名機ZH-DWX10が控えており、欲を出すと迷うところではある。しかし、同価格帯では圧倒的すぎるともいえる表現力とコストパフォーマンスに他の選択肢はほぼないと言って良く、好みがはっきりしている人以外は、これを選んでほとんど間違いはない。

 

 

 

【5】このイヤホン向きの曲

 重く鳴りすぎず抜けよく弾む元気なドラム。ガチャガチャせず方向感も広さも丁寧に表現される中域。ボーカルは中央で楽器とほどよく分離しており、混ざらないが離れすぎず一体感を失っていない。サビでは上方向に綺麗にボーカルが溶け込み、音楽全体の情感が素直に高まっていく。

 

 ギターやベースにエッジとアタック感が有り、パーカッションの立ち上がりも良く、疾走感がうまく出ていて、前に突貫していく展開が丁寧に表現される。低価格イヤホンでは楽器音に埋もれてぼやけやすいボーカルだが、このイヤホンでは温度感も失われず、息遣いさえも感じられる。

 

 空気感があり、情緒感に満ちている。しっとりとしたボーカルとそれを丁寧にフォローする楽器が一体となってノスタルジックな世界を作り上げている。ボーカルに素直に追随して目立ちすぎないが色づけを加える楽器音の調和した表現に、しつこいところを感じず没入でき、情景に浸れる。

 

 サビに向かって天上へと高く飛翔していくこの曲のボーカルの表現をここまできれいに味わえる低価格イヤホンはほぼ皆無。穏やかに自問するような導入から、情景へと向かっていくにつれて昂揚していくボーカルが抜けた後の消失感もカタルシスに満ちており、中毒性が高い。

 

ZERO AUDIO インナーイヤーステレオヘッドホン カルボ バッソ ZH-DX210-CB

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

B01FLOG4O0

Jayfi JA40 カナル型 イヤホン 重低音 HIFI 遮音性 マイク付き イヤフォン

 

おすすめ度*1

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ASIN

B01FLOG4O0

 着け外しやすいドラムタイプのカナル型イヤホンで、耳にしっかり差し込まれるため遮音性もそこそこあるが、音漏れはやや目立つ。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、携行ケース、日本語含む多言語マニュアルイヤーピースはコンプライタイプも付属する。細身のケーブルのタッチノイズはそれほどでもない。

 

【2】音質

 ドンシャリ傾向の強い低域重視のチューニング。低域とボーカルが一番耳に近く、曲の中心で核を作り、残りの音はやや背景になってシャンシャンしたやや軽い味付けになる。低域中心で腹に響かせる傾向の曲によく合い、迫力と重厚さを感じやすい。一方で曲によってはやや暗く、軽妙さは出づらい。ボーカルもきらびやかさやのびやかさ、繊細さよりは厚みを持たせた直接的な旨味を感じさせる表現で、コンセプトから言っても奥深い味わいを求めるのは野暮だろう。

 

[高音]:低域の背景に隠れがちで上方向への高さはそれほど感じられない(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:低域が前面に出るので、場合によってそれに隠れてしまう。ピアノは弱く出る傾向があるので、純粋ロックな表現を外れる多様な色彩を表現する曲にはやや弱い。
[低音]:低域は近く、ボーカルとつねに密着しており一体化している。重く厚みがあるが、やや近さが目立つので深さは感じづらいかもしれない。おそらくピークは60hz~50hz付近で強く振動しているため、比較的浅い床面になっているせいだと思われる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:奥行き感はそこそこあるようだが、低域が広さより近さの表現で鳴るために広い空間は感じない(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:ドラム優位。全体的に床面を意識しやすく、熱量もある低域中心で支えを感じやすい(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:比較的自然で、クセがなく、低域の近さと相まって量感と安定性が感じられるので満足度はなかなか。

 

【3】官能性

 UVERworld「一滴の影響」は足場を作るドラムの躍動感にベースなど重厚な低域がはっきりと意識させる床面でボーカルを支える。中高域の音がやや精彩に欠けるものの、全体としてこの曲の持つ圧倒的な重厚感と世界観がうまく表現される。

 鹿乃「ディアブレイブ」になると、重厚さが勝ちすぎる。この曲は重厚な低域とシネマティックな表現を見せる中高域との引き合いの中安定した声色のまっすぐ貫いていくボーカルという全体像に艶があるが、低域が引っ張りすぎており、ピアノ中心に奏でられる、サビ付近の色彩感あふれる表現が全く潰されてしまっている。

 nano.RIPE「月花」もこのイヤホンは重厚さ中心で世界観を描いており、高い空の月と地面の花という対比よりは、地面の花という主観の独白が強調される味わいとなる。空の高さという空間性を感じさせる部分はないが、パーカッションの粒感と演出はうまく出ており、満足度は高い。

 Claris「CLICK」も低域リズム中心に目立ち、かなりダンス色が強調された味わいになる。ボーカルと低域の関係の良さがこの曲の核となる安定的で一貫した流れをよく表現しており、情報量の多い曲であるにも関わらず、ガチャガチャと紛れるところはないが、一方で背景音の味わいは減っており、空間性を感じさせる弾ける破裂音のような表現は控えめ。全体として単調にはなっているが、量感のある一貫とした流れは納得させられ、わかりやすく満腹感は十分伴っている。

 

【4】総評

 とにかく量感ある低域でお腹いっぱいになりたい人向けには一つの福音となるかもしれないイヤホン。クセがなく聞きやすいボーカルとそのボーカルを支える近めの低域が安定した心地よい流れを作る。一部の曲では単調に出たり、細やかな演出がざっくり失われてしまうという欠点はあるものの、ダンス・ロック中心に楽しむ人にはかなりのコスパを感じさせてくれるはずだ。

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

B01MFD2QG8

Bluetooth4.1 スポーツ イヤホン 高音質 North Crown NC-300 ワイヤレス ヘッドホン ブルートゥース 超軽量 マイク内蔵 ハンズフリー通話 CVCノイズキャン セル6.0技術搭載 IPX4防水 防汗 耳かけイヤーフック型 スポーツ イヤホン ヘットセット MFBボタン付き 技適認証済み メーカー1年保証 日本語説明書付きiPhone、Android 各種対応(グリーン&グレー)

 

おすすめ度*1

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B01MFD2QG8

 外観的には以前レビューしたIdealMuzik i2と共通性が高く、関連機種と思われる。

 45°傾斜で耳に差し込まれるイヤーピース、耳裏からしっかり固定するイヤーフックと、かなり硬めの装着感のスポーツイヤホン。遮音性はそこそこあるが、音漏れは少し目立つか。

 通信性能はIdealMuzik i2がかなり波があって安定しなかったのに対し、こちらはまれに荒れる場面があったものの、安定度では大幅に勝る。テストに使用した接続機器は変えていないので、IdealMuzik i2と本機種がもしほぼ同機種ならば、やはり個体差の問題だったのかも知れない。しかし、音質面まで含めて考えると、これも個体差の問題もあるが、NC-300のほうが精彩度にやや勝っており、IdealMuzik i2のアップデートモデルと考えたほうが良さそうだ。

 

audio-sound.hatenablog.jp

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、日本語含む多言語マニュアル。IdealMuzik i2に入っていたイヤーフックの替え、携行ケースは付属していない。マニュアルはIdealMuzik i2付属のものと変わりなく、やはりIdealMuzik i2ときわめて近縁にあるイヤホンであることを思わせる。

 

 

【2】音質

 音質としてもIdealMuzik i2と似通っており、まずキラキラ感やエッジがやや強調されていて、粒感も出るので全体として精彩は比較的強め。IdealMuzik i2であった管楽器系統の音にはかなりもわっとした感じがする傾向は減じており、シャープさが増している印象だ。クラブ系の緻密な表現は若干ガチャガチャとする印象もあるが、密度はよく出る。ピアノは硬めに感じる。全体としてやや硬質で金属質的な音質であるのも共通だが、IdealMuzik i2と比べると低域が鳴るせいか深みと密度が増している分やわらかさは増している印象だ。

 

[高音]:キラキラ感強めでエコー感も出やすいのでやや幻想的に感じられる。一方で突き抜け感は案外少ないかもしれず、天井は近い印象を受けた(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:音のエッジが強いせいか、全体的に近寄って音が聞こえるため、精彩感は強いが空間性はやや狭く感じるかも知れない中域。ギターなどのつま弾きはかなり鮮明に目立つ。ピアノはやや硬質で響きは重く、余韻は少なめ。

[低音]:低音はしっかりとした存在感を感じる。中高域の精彩感が強いせいか非常に地味で目立たない。減衰は100hz以降ストレートに落ちているが、もっさり傾向であるが振動は芯を感じる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:立体感は乏しい印象。全体的に前面に音楽が出てくる感じではあるが、包まれる感覚にも乏しい(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:パーカッションはキレが感じられやすいが、存在感はやはり案外薄い。ギターなどが強く出過ぎるか(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルは楽器とほどよい距離感。のびやかさはやや乏しいが、腰は悪くなく、力強さはある。

 

【3】官能性

 (K)NoW_NAME「Harvest」はしっとりしたボーカルはうまく表現されている。また弦楽が綺麗に出るのでその精彩感を心地よく感じる人にはよい。一方で曲の盛り上がりという面では、弦楽がジャカジャカしすぎるところもあり、ためや消失感に乏しく、やや間延びした感じがある点は否めない。どことなくもっさりした感じは抜けない。IdealMuzik i2と比べると通信が安定しているせいか低域の利きが良くなり、深みが増した分満足度は高いが、これはあまり変わった印象はない。

 Aimer「六等星の夜」はピアノがかなり硬めで重厚さが出る。ボーカルはやはりしっとりさが強調されており、突き抜け感に乏しいせいかかなり安定的。やはり盛り上がりには欠ける印象。同じAimerの「StarRingChild」も同様の傾向。ただしこちらは盛り上がりがそれなりに感じられた。

 petit milady「azurite」のような曲は比較的良質。キーボードの音や効果音の精彩感はきれいに出るので、楽器音とボーカルの分離がよく、パートの役割が明確でしかも多少効果音で味付けするような、ガチャガチャしないレベルでまとまった曲はうまく表現する。低域は深みを増しているので飛翔感も良好に感じる。

 ClariS「CLICK」までいってしまうとサビで少しガチャガチャしてしまう。傾向としてどうしてもボーカルが精彩感の強い楽器音に埋もれてしまいがちにはなるものの、低域と背景音はそれなりに生かされており、やはり通信性能の向上に伴うと思われる音質の改善が感じられる。

 

【4】総評

 関連機種であると思われるIdealMuzik i2に比べて不満点は大きく改善されている。エッジを利かせた精彩感の強いイヤホンという印象で低域もほどよく利いており、比較的無難で万能に曲を楽しめる。IdealMuzik i2の欠点であった低域の鳴りの悪さや背景音に近い音が潰れる傾向は大幅に改善された印象でコスパを考えても十分魅力的になった。

 通信性能はIdealMuzik i2がかなり暴れん坊で、音割れ・音飛びが目立つ場面があったのに比べると落ち着いた。しかし、長時間使用で遅延が見られる傾向があり、一部の曲では通信情報量が増えるのかどうしても音飛びが見られたが、途絶するほどデリケートではなかった。スポーツ用途としては十分とはいえないかもしれないが、日常使用のレベルであれば満足できるレベルであった。

 

 

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。