ザ・イヤフォン・レビュー

イヤホンをレビューしています。

B01CN45V6I

〔5色展開〕SoundPEATS サウンドピーツ Bluetooth イヤホン 高音質 aptXコーデック対応【メーカー直販 / 1年間保証】低遅延 外れにくい 耳掛け式 Bluetooth 4.1 + CSR社チップ採用 IPX4防水 IP4X防塵 スポーツイヤホン マイク付き ハンズフリー通話 CVC6.0ノイズキャンセリング 音漏れ防止機能 ブルートゥース イヤホン Bluetooth ワイヤレス イヤホン Bluetooth ヘッドホン Q9A ブラック

 

おすすめ度*1

f:id:kanbun:20170413170852j:plain

ASIN

B01CN45V6I

 イヤーフックつきのやや大きめな台形ハウジングは最近スポーツタイプを中心に流行しているデザイン。イヤーピースは傾斜を伴って耳に深く差し込まれるので装着感はしっかりかつ装着性も高い。

 aptXに対応する。通信性能的にはやや相性があるようで、PC用のaptX対応レシーバーでは通信が非常に不安定で実用性皆無だったが、手持ちのAndroidタブレットやiPhoneのaptX対応機種では遅延や音飛びなどはなかった。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、英語マニュアル、携行ケース。平形コードには全くといっていいほどタッチノイズはなく、スポーツ用途としてはこれも好ましい。

 

 

【2】音質

 音質を一言で表現すれば緻密かつすっきり。細かいところまでかなりきれいに表現するが、それに拘泥しすぎない開放的な距離感とのびやかさも備えており、情報量の多い曲でもガチャガチャしすぎずに圧迫感がなく、爽快感が失われていない。低域はかなり薄味で中高域、とくに中域の充実度と空間表現が巧みなので、全体的に開放的かつ軽妙という味付け。やや軽すぎて走りすぎる傾向もないとはいえないので、細かいところでは好みは分かれるかもしれないが、ダンスミュージック・ポップス・ヒップホップ・ゲームミュージックなどに比較的万能な性能を発揮する。高さもよく出るので空間的な面白みもあり、中毒性はなかなか高い。

 

[高音]:高域もほどよく丸みもあってなめらかにのびるリニア感のあるスムーズな鳴り方(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:中域は緻密だが音の消失はすっきりしているので後味はそれほど強く残さない開放感を伴った音。ピアノや弦楽ともにほどよい色彩とのびやかさ、そしてくどくならずほどよく消失するバランス感覚があって、全体として優等生的な鳴り方。

[低音]:低域はかなりおとなしく、振動も強くなく線に近い細かなもので、50hz以下はとくにおとなしい。おそらくこの締まった特徴が、ドラム音などに弾みを持たせており、熱量を伴いながら反発する弾力を感じさせている。低域重視ではないため量感にはやや乏しいが、存在感はしっかり感じられる低域(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:足場はかなりしっかりした床を作るため、全体として三角形に上に高い。体育館の床面のようなはっきりした反響があって、下では上方向に音が上がっていく感覚を感じる。上は天井も高く、女性ボーカルはサビでスルスルとのびやかに上がっていく(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは軽妙。ハイハットはかなり緻密に粒感が出るので、全体として軽快な印象(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:若干がなる傾向がないでもないが、比較的良質でまるっとした抜けの良い感じの声質になり、とくにアニメ声との相性は良さそう。

 

【3】官能性

 鹿乃「腐れ外道とチョコレゐト」は軽妙なリズム表現の上にかなり変化に富んだ音が盛り込まれ、ガチャガチャうるさくなりやすい曲だが、このイヤホンはそうした情報量過多な表現をこの曲本来の持ち味である軽妙という方向にうまく消化しており、良質。ボーカルにかかるエフェクトと消失感、それに伴う残響感もなかなか秀逸で文句ない。

 Rasmus Faber「銀河鉄道999 JAZZ Ver.」はこのイヤホンで聴くと低域の密度は減って聞こえるので、どちらかといえば軽妙なピアノが主導するステップを踏むような遊び心のある表現。低域は支配的でなく味付けに徹しており、楽しげで茶目っ気のあるボーカルを中心にやや華やかで若干頽廃的な雰囲気に酔える。

 nano.RIPE「ラルミー」はnano.RIPEの曲の中でもややざわざわしやすく、うるさくガチャガチャしがちな曲。このイヤホンはまずドラムが軽快で重たくせず、サビでのボーカルの飛翔をうまく支えて、弾ませていく。ベースの利きも下にエネルギーを一度貯めて上に解放する弾力となっており、下方向に貯まりこんで沈まないために、全体として前向きで力強い曲調がうまく出ていて、ヤマ場でやや過剰になるハイハットなども耳障りにならない軽快なものになっている。

 歌組雪月花「回レ!雪月花」は緻密に出し過ぎてしまい、ややリズムが硬く、全体として硬質になっている印象であり、元々ボーカルと楽器が絡み合う独特のグルグルした回転の感じられる中毒性が魅力である部分が強く出過ぎて、ボーカル周りに音が集中しすぎ、目を回すくらいめまぐるしくなってしまっている。中毒性がかなり高いので、うるさすぎないが、人によってはくらくらするくらい過剰になっている。

 

【4】総評

 高い装着性とタッチノイズのないケーブル、一部相性はあるようだが全般的に安定的な通信性能とスポーツ向けワイヤレスイヤホンとしてはかなり理想的であり、コスパは文句ない。音質的にも繊細さと開放感を兼ね備えた比較的万能なもので、低域は量感自体には乏しいものの、それを補ってあまりある弾力性を持っていて、軽妙で明るいアニメソングには強く、JAZZも遊び心の強い曲を中心に楽しめる。ダンスミュージックやシアトリカルな表現の入るゲームミュージックにも向き、ごくまれに表現が行き過ぎてしまうところがあるものの、ほぼ万能といってよい聞き心地は万人向けに近い。ほとんどハズレがないという意味でかなりおすすめである。

 

 

 

【5】このイヤホン向きの曲

 寂寥感のある導入、華やかさを増してシアトリカルになっていく中盤以降までうるさくなるところなくスムーズな流れで導いてくれる。曲の展開によって情感を溜めるゲームミュージックや映画音楽を楽しむにはこのイヤホンは持って来いだ。

 

 この曲はイヤホンによっては重苦しくなりすぎたり、逆に低域が軽くなりすぎて薄味になったり、ノイズ感がうまく出なくてあっさりしすぎることがある。しかしこのイヤホンは低域を軽快な弾力で表現するので一定の緊張感を維持しつつ開放的なものにしており、同時にノイズ感は緻密に表現してフレーバーとしての焦燥感や心のざわつきを余すところなく伝えており、価格帯を考えると、うまいとしか言いようがない。

 

  やや過剰な弦楽の色彩感はうまく出ており、そのうえで全体として弾みのあるパーカッションの表現が、青春期独特のわくわく感、冒険心、自己充足感を思い出させてくれる。ボーカルものびやかに出ていて、明るく元気。

 

  名曲「ハッピーハミング」もなかなかよいが、ネット上に良質な音源が見つからなかった。ロンドンフィル版だが、中盤の「ハッピーハミング」部分はやや味気ない。とはいえ逆に前半のオーケストラ版「木漏れ日の中で」はこのイヤホンで聴くとうららかな陽光から風のそよぎ、それに合わせて踊る草花の香しい呼吸さえ聞こえる。価格を考えれば、まさに秀逸。

 

〔5色展開〕SoundPEATS サウンドピーツ Bluetooth イヤホン 高音質 aptXコーデック対応【メーカー直販 / 1年間保証】低遅延 外れにくい 耳掛け式 Bluetooth 4.1 + CSR社チップ採用 IPX4防水 IP4X防塵 スポーツイヤホン マイク付き ハンズフリー通話 CVC6.0ノイズキャンセリング 音漏れ防止機能 ブルートゥース イヤホン Bluetooth ワイヤレス イヤホン Bluetooth ヘッドホン Q9A ブラック

 

【関連記事】

audio-sound.hatenablog.jp

audio-sound.hatenablog.jp

audio-sound.hatenablog.jp

www.ear-phone-review.com


*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。