ザ・イヤフォン・レビュー

イヤホンをレビューしています。

B01LXUU98J

ZERO AUDIO カナル型イヤホン ZERO BASS ZB-03 ブラック ZB-03JB

 

おすすめ度*1

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ASIN

B01LXUU98J

 ZERO AUDIOのハイレゾ対応イヤホン。ハウジングは伝統的だった格子模様から脱却している。抵抗感無く耳にはまり、遮音性はそこそこ、音漏れも比較的少ない。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、携行ケース。ケーブルのタッチノイズはほとんどない。

 

 

【2】音質

 音質的な活き活きとした低域、情感を豊かに奏でる中域、のびやかな高域と月並みな賛辞であるが、三拍子揃った良質なバランス。広めの音場空間でありながら個々の音に濃密さを感じる表現力と音域バランスの良さは文句のつけようがなく、陳腐な褒め言葉が全く陳腐に感じられず似合う真の意味での優等生といえる。正直これで5000円を切ってハイレゾ対応というのが驚く。

 

[高音]:のびやかで抜けが良く、高さがよく表現される。立ち上がりも良好でスキッスカッとした爽快さもある音(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:楽器のバランスが良く、どんな楽器も一定の精度と量感、定位感がある。万能に近い。

[低音]:締まりを感じる良質な厚みのアル音、素直に減衰し、深みも感じさせる(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:ほどよい広さと密度があり、開放感を損なわず、それでいてスカスカせずに稠密さも失わない絶妙のバランスに満腹感を感じる(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは弾み、厚み、深みの揃った三位一体の良質バランス。存在感があるが、支配しすぎない。ハイハットの疾走感とのバランスも良好(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルは息遣いも感じられ、のびやかさもあり、楽器との位置関係も良好で一体的。

 

【3】官能性

 いきものがかり「ノスタルジア」はのびやかでかつ厚みがあって説得力のあるボーカル、深い低域、精彩に満ちて情感に溢れた中域と丁寧に表現される。心に沁み入ると言うよりは、心に入り込んで、内なる情感を呼び覚ますようなエモーショナリティがあり、満足度は高い。

 supercell「銀色飛行船」はピアノと弦楽のバランスが良く、ほどよくしっとり、ほどよくキラキラ、ほどよくのびやか、ほどよく叙情的と非常に均整のとれたところが見られる。情感に過剰に訴えかけるような臭みがなく、しかし胸にたしかに沁み込んでくるものがある。ボーカルは特性的だが、表現は精緻で音像はしっかりしており、のびやかさもあって、サビでの昂揚感は格別。

 UVERWorld「CORE PRIDE」のドラムは量感と重厚さ、弾力感のバランスが良く、躍動的でありながら深みもあって、曲全体をリードする。楽器音は全体的に立ち上がりよく、アタック感もあるのでなかなかに濃密。

 歌組雪月花「回レ!雪月花」は全体的に密度が高く感じられるが、ガチャガチャせずに定位感と細かな音の輪郭が緻密丁寧に表現されるので、中毒性が高い。ボーカルも元気でのびやかであり、みずみずしくコシもあって元気で明るく楽しい。

 

【4】総評

 相変わらずバランス感覚の良いZERO AUDIO。このイヤホンはどちらかというと低域モデルであるが、高域や中域も十分に満足できる納得の出来で、万人向けの印象だ。何より驚くべきはそのコスパで、たしかに低価格のハイレゾ対応モデルが増えてきたとはいえ、5000円を切る価格でここまでのクオリティのハイレゾ対応モデルはほとんどなく、それでいて一昔前の10000円モデルに迫る、あるいはそれを凌駕するような音を奏でるこの機種には文句のつけようがない。おそらく同価格帯でほとんどの人がベストバイと感じるはずで、国民的イヤホンになりうる製品だ。

 

 

 

【5】このイヤホン向きの曲

 低域が濃密でありながら、うるさくならず、過剰とも言える音の奔流の中でのびやかさを失わないボーカル。クラブサウンド向けとしても秀逸な表現力だ。

 

 瑞々しくも優しいボーカルの色合いを大事にしながら、演出に加わる音の一つ一つにも丁寧に配慮して表現してくれる。やや音の重なりが多めの曲であるが、それが個々の音が精緻に描き分けられながら、一体性のある流れとして感じられる。

 

  ガチャガチャしがちなこの曲も、タイトと弾力性の両立したドラムが終始ほどよく引き締めながら、個々の音の掛け合いが中毒的といっていい鮮烈な形での一体性と調和を表現してくれる。

 

  定位感がしっかりしているので、空間的な中毒性の強いこういった曲の表現も秀逸で、飽きさせない。

 

ZERO AUDIO カナル型イヤホン ZERO BASS ZB-03 ブラック ZB-03JB

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。

B01GO14YFA

MUCHER イヤホン カナル型 マイク付き 巻貝形 軽量 高音質 重低音 ハイレゾ音源 iPhone対応 スマホ用 MM5 (ゴールド)

 

おすすめ度*1

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ASIN

B01GO14YFA

 独特の巻き貝型のハウジングが特徴のイヤホン。遮音性は高めだが、音漏れも少し目立つ。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はキャリイングケースとイヤーピースの替えが付属する。細めのケーブルはタッチノイズは普通。

 

【2】音質

 量感のある充実した中域、密度のある低域、のびやかな高域。若干端で割れやすく、サ行でかすかに刺さりを感じるものの、この価格帯ではしっかりした表現力を感じる。ボーカルと楽器音の距離感もよく、比較的統一感があり、豊かな色彩。

 

[高音]:のびやかで突き抜け感もある(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:ボーカルと近く、密度を作る音。精彩感もあり、きれいといえる音色。
[低音]:厚みがある音で80hz~60hzがとくにブーミーで70hzにピーク。ドラムは床面を強く弾くような音(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:量感を素直に感じやすく、音楽を存分に楽しめる。かなり近く頭を包み込む感覚(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)
[パーカッション・リズム]:躍動的なドラムと粒感もあるパーカッションに楽しさを感じる。疾走感も出る(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:ボーカルの味付けもほどよい瑞々しさとのびやかさがあり、突き抜け感も良好。

 

【3】官能性

 奥華子「愛を見つけた場所」はボーカルにのびやかさと艶やかさがあり、楽器音がボーカルを包み込みながら聞こえてくるその一体感も良好。音割れする場面もなく、音色には精彩感もあり、良好。サビでの高みのところでは若干粗さが出るものの、価格を考えるとよく追随している。

 supercell「My Dearest」では端のほうで音割れが出るものの、ガチャガチャせずに音に潤いもあり、ボーカルは乾いた感じはない。量感と熱量を加えるドラムも力強く演出する。

 分島花音「RIGHT LOGHT RISE」は低域から高域まで密度のある充実感の高い音場。ボーカルはのびやかで突き抜け感もあり、サビでは気持ちよく高まって抜ける。パーカッションの躍動感が疾走感も演出し、力強くボーカルを支える。

 Claris「CLICK」は艶やかさと瑞々しさ、のびやかさのあるボーカルと弾けて躍動感のあるパーカッションと密度のある楽器音が楽しめる。量感もあり、音に粗が少なく、この価格帯では文句がほぼない。

 

【4】総評

 量感が多めなので、スカッとした感じはないが、力強い躍動感が楽しく、突き抜けもあって明るめで元気な色彩。低域がやや強めではあるが、中域も高域も量感があって低域に支配されず、それぞれの良さを失わない。この価格帯では文句なくおすすめできる。

 

MUCHER イヤホン カナル型 マイク付き 巻貝形 軽量 高音質 重低音 ハイレゾ音源 iPhone対応 スマホ用 MM5 (ゴールド)

 

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B01GO3IZ5S

オーディオテクニカ ハイレゾ対応カナルイヤホンaudio-technica Sound Reality ATH-CKR100

 

おすすめ度*1

 

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ASIN

B01GO3IZ5S

 高級機とは思えないシンプルでなめらかな外観のカナル型イヤホン。遮音性は良いが、音漏れはやや目立つ。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、キャリングケース。リケーブル可能。デフォルトのケーブルもタッチノイズはほぼない。

 

【2】音質

 真実の音を目指したモデルであるが、実際独特の空気感というか、空間に溶け込む音の鳴り方をする。抜けがよい。独特の、パワーをあえて抑えて表現を追求しているような、大人びた鳴り方をする。尖りや音割れとは無縁。

 

[高音]:ややかすれるが、抜けは良い。このかすれも空気感といったほうがよい感じの良質なもの(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:やや狭い。鮮やかさはそこそこでやはり空間に溶け込むような音。

[低音]:100hz~30hzまできれいに減衰する。おとなしめ(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:音のそれぞれを丁寧に描き分けており、空間の雰囲気は良く出る(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:軽めだが、疾走感は強くなく大人びている。アタック感は強くない(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:ボーカルはややおとなしめで明瞭感は強くなく、自然に溶け込んでいるような鳴り方。

 

【3】官能性

 JOY「アイオライト」は疾走感強めだが、ボーカルは少し暗く感じる。かなり大人びた落ち着いた雰囲気でギターの絡みもやや抑えた表現で落ち着いた雰囲気。

 nano.RIPE「ルーペ」でもボーカルは大人びた印象を受ける。落ち着いた自然な伸びやかさと鮮やかがある声。楽器音はやや奥まり、ドラムも弾け気味だが衝撃は強くなく、優しくリズムを刻む。全体的にしっとりした雰囲気。

 鹿乃「Stella-rium」はパーカッションに軽快さがある。ボーカルは自然な温度感とのびやかをもっていて、メリハリもそこそこ。音は少し密集していて密度高めに思うが、ガチャガチャするところはなく、聞きやすい。解像度の高さを窺わせる。

 「響け!ユーフォニウム」劇中曲「三日月の舞」は若干ジャズ的な色合いを感じる。金管音は自然で強く吹き鳴らさず、厚みを感じさせる。なめらかでそれぞれの楽器音が混ざらず、刺さる場面はない。ソロ部分は鮮烈さが抑え気味でやや情感が足りない気もするが、しっとりとした落ち着きがある。

 

【4】総評

 独特の上品な音の鳴り方にこだわりを感じるイヤホン。リアリティーというものはおそらく「空気感」なのだろう、音をただきれいに聞かせるのではなく、音のある空間と一体的に聞かせようという意図を感じる。そういった意味で同価格帯のSONYのイヤホンが目指している個々の音の鮮明さと自然な表現から全体を作り上げるといったミクロな視点からのアプローチとは違う、トータルとしての表現でマクロから仕上げたような印象を受ける。そのため音の精彩度という面では必ずしもパフォーマンスはよくないが、全体的な表現力という面では明らかに一つの一体的な音場を作り上げているという意味で良質なイヤホンだ。

 これは意欲的な試みではある。このイヤホンは確かに、上位機種ならではの音とは何かを問いかけている。

 

オーディオテクニカ ハイレゾ対応カナルイヤホンaudio-technica Sound Reality ATH-CKR100

 

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B00XCDXKJK

SADES SA901 ゲーミングヘッドセット 7.1サラウンドサウンドステレオプロPCのUSBゲーミングヘッドセットPCゲーマーのためのマイクの重低音オーバー - 耳のボリュームコントロール付きヘッドバンドヘッドフォン(青)

 

おすすめ度*1

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 プラスチック製のコンパクトで軽量なフレーム構造が特徴のエントリークラスゲーミングヘッドセット。

 比較的廉価で手頃な値段ながら、付属ソフトウェアで簡易DAC機能を持ち、7.1chサラウンドに対応する本格的な性能だ。遮音性は高めで音声を再生している間は環境音がかなり低減されて没入感は強い。音漏れもかなり少ない。USB入出力専用。

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【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はマニュアルとソフトウェアCD-ROM。 マニュアル言語は英語と中国語で日本語はない。

 ケーブルはナイロン編み込み。 エントリークラスゲーミングヘッドセットにも関わらず、丈夫な作りのケーブルだ。ゲームに熱中して少し激しく動かしてしまってもケーブルがちぎれたりすることはないだろう。

 ケーブルの中途にはコントロールユニットがあり、ミュートON/OFF、マイクON/OFF、ボリュームコントロールに対応。

 

【2】音質

※このヘッドセットは付属ソフトウェアで音質を変更可能ですが、ここでは標準的なHi-Fiモードを基準としてレビューします。

 付属ソフトウェアの効果もあり、再生能力はエントリークラスとしては実力派。同クラスの中では頭一つ飛び抜けている。

 中域に密度感と鮮明さがあり、弦楽音などはのびやかさと彩りがあり、優雅で上品。ゲーミングモデルに特徴的な低域の存在感もあるものの、低域に頼らないフラットに近い味付け。高域は温度感のある音で全体としてあたかかみのある生命的な音質。7.1chサラウンドの空間性に優れた表現力もあり、クラシック音楽のようなアナログ的な音に強みがありそうで、音楽再生でもパフォーマンスの良さを感じる。

 

[高音]:のびやかさと温度感があり、尖りや刺さりとは無縁なしなやかな音。突き抜け感もほどほどにある(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:立ち上がりがよく、メリハリと密度感があって精緻さの感じられる音。だがのびやかであたたかみがあり、弦楽音やピアノ音に深みと鮮やかさがある。ギターはだいぶアコースティックな表現でキラキラ感はあるがアタック感は出づらい。

[低音]:低域ははっきり振動し、かなり存在感が強いが、振動が非常にきれいで素直なので臭みがない。100hz~40hzまではなめらかに減衰していく自然な感じで、これが下方向に気持ちよく抜ける表現になっていて、存在感の割に圧迫感がない聞きやすい音にしている。かなり深掘りされる音場を形作り、重低音の沈み込みを感じやすい(分島花音「killy killy JOKER」、Round Table featuring Nino「Rainbow」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:7.1chサラウンドという割に左右の方向感や奥行き感にギャップを感じにくく、かなり自然な表現で丸い。低域のみ沈み込みを強く感じるのでやや深い球状の密度感のある音場(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:全体としてアタック感よりは安定感とあたたかみがあり、やわらかく膜を張るような表現。シンバルも走らず定点的な穏やかな味付けで疾走感よりは音場を固定する方向に響く(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:全体としてのびやかさと生命感のあるあたたかさのある雰囲気。ほどよい突き抜け感もあり、聞きやすい音でハスキーさもあまり出ず自然。男性ボーカル女性ボーカルともに熱量の感じられる味わいでややぼけた感じもするが聴き応えがある。

 

【3】ゲーミング体験

 一言で言うと、聞きやすい尖りや圧迫感のあまりない音で、方向感は明確。リバーブの反響感がかなり自然で歪みがほとんど感じられない。全体的にあたたかな空気感の感じられる表現。

 よくある一定周波数での強振動という演出はないが、低域での振動は強めで素直なので打撃音などに衝撃度はしっかり乗っている。

 

 PC版「Witcher3」は緻密なオブジェクト音が広さや奥行きを感じさせるオープンワールド的な味付けが強いゲーム。

 まず足音や木のオブジェクトなどの音に自然なぬくもりが感じられ、たとえば足元の土の状態、水の表現などにリアルさがある。低域の効果音には地面を這うしっかりした広がりが感じられ、遠くの音や風の音も空気を通した距離が感じられる。

 やや薄ぼんやりしたところはあるが、広さは感じやすく、音に尖りがなく重厚で落ち着いた映画的な表現。

 

 一方でホラーゲームはややぬるいと言えるかも知れない表現。金属音や叫び声がやわらかく、とげとげしさは少し減じられる。反響表現も強くないので閉鎖空間で何か不気味な雰囲気に包まれている感覚は少し薄い感じだ。

 だが音に重みがあり、方向感もあって臨場感も高く、衝撃度のある低域に面白みがあり、けっして怖くないというわけではない。ほどほどのこわさを感じつつ、圧迫感は少なめでプレイしやすい。

 

【4】マイク

 声質はややあたたかみのある低めの音で入る。自分で認識する声よりはやや湿った、低めのような音でギャップを感じるかも知れない。だが解像度自体は高く聞き取りやすい。

 キーボード音はあまり入らないが、マウスのクリック音は拾いやすい。

 

【5】付属ソフトウェア

 付属ソフトウェアはイコライザーやエフェクターも備えたかなり本格的なもの。 基本プリセットとして「Hi-Fiモード」「ムービーモード」「音楽モード」がある。 Hi-Fiモードが標準で、ムービーモードはそれにリバーブがかかって奥行き感が強くなり、音楽モードはさらに奥行き感が出てライブハウスのような音になる。

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【6】総評

 エントリークラスのゲーミングヘッドセットとしては文句なくおすすめできる製品。聞きやすい音、機能性を考えたコンパクトなデザイン、エントリークラスにしては豪華な作り込みに満足度は高い。

 プレイフィールの良いゲーミングサウンドの表現力だけでなく、音楽においてもアコースティックであたたかみのある音は比較的万能に聞かせるところがあり、アタック感は足りないかも知れないが、クラシック音楽やジャズ音楽などに味わいがある。

 なにより廉価でこの性能を実現しているのは素直にコストパフォーマンスを評価せざるを得ない。

 

SADES SA901 ゲーミングヘッドセット 7.1サラウンドサウンドステレオプロPCのUSBゲーミングヘッドセットPCゲーマーのためのマイクの重低音オーバー - 耳のボリュームコントロール付きヘッドバンドヘッドフォン(青)

 

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B017XB5530

JVC HA-SW01 密閉型ヘッドホン ハイレゾ対応 CLASS-S WOOD HA-SW01

 

おすすめ度*1

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 木製の振動板を採用した独特の温かみのあるサウンドが特徴のヘッドセット。ヘッドバンドは柔軟でイヤーマフやクッションにも厚みがあり、付け心地は上々。没入感も高く、音漏れも少なめ。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 携行用のケースが付属する。ケーブルは着脱式の両出しケーブルでリケーブル可能。タッチノイズは少しあるが少なめに思う。

 

【2】音質

 聴き始めはややぼけた印象を受けたものの、篭もった感じは全くなく、温かみのある中に音像のはっきりした緻密さが感じられる。なめらかだが、立ち上がりも良く、綺麗に溶け込んでいく上品な音。尖りや刺さりとは完全に無縁だ。

 

[高音]:のびやかで高く突き抜け、爽快感がありながら尖らない柔らかみがある非常に優雅な音(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:緻密だが優しく温度感があり、暖色系の色彩を感じる。音のそれぞれが重なり合う密度と定位感がうまく出ていて、圧迫された感じのないじんわり感のある音になっている。

[低音]:100hz~40hzまでブーミーだが温かみのある音。30hzからは沈み込む。ドラム音には弾力性と穏やかだが存在感のある地鳴りが感じられ、支配的に強くなりすぎないがはっきりと存在を感じる(分島花音「killy killy JOKER」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:柔らかく球状の音場。充実した感じで高域は高く、低域は深く、そしてボーカル周りに鮮やかな密度を作る(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:シンバルの表現にとくに驚いた。鮮やかだが細やかで活き活きしており、乾いた感じとほどよい重み、振動感、そして走る感じ、ほかのヘッドホンではなかなか味わえない生々しさのある音に感心しきり。立ち上がりもよいが尖る感じはなく自然に走っていく表現には並々ならぬ作り込みを感じる(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:楽器との一体感がある。温度感もあってあたたかく聞きやすい音だが、突き抜けていく感じも自然に高まっていく感じで刺さらないきれいな持っていきかた。素直にすごいと思わせる。

 

【3】官能性

 多田葵「灼け落ちない翼」は透明感が強いと刺さりやすい曲。だがこのヘッドホンでは音像に乱れは全くなく、終始柔らかみを維持している。だがのびやかでサビでは高く力強く登っていく。抜けも自然できれい。緻密さも良く出ていて、聴き応えのある表現だ。

 鈴木このみ「DAYS of DASH」はパーカッションの表現が素晴らしい。弾みよく立ち上がった出だしから、気持ちよく自然に走って行く展開。ギターの立ち上がりも良く彩りを添えている。なによりボーカルが力強くのびやかで、サビでの突き抜け感も自然に天井を突破していく開放感に満ちており、しかも高域でも自然な温かみが失われず生命力が感じられる。非常に明るく元気で優しい。

 東京カランコロン「スパイス」ではやはりパーカッションの走りが精彩に満ちて活き活きしている。躍動的な低域にはブーミーさがあるのに緻密さも感じられ、柔らかい密度のある音楽表現でエネルギッシュ。しかし強くなりすぎないで丸く一定の範囲に収める丁寧さを感じる。

 nano.RIPE「プラネタリウム」では音に七色の色彩を感じるほど鮮やか。低域は躍動的で、それぞれの楽器が自然な位置から広がりを持って響き、だが仲違いせずに調和性を持って波紋が重なって妙なる調べをなすようにお互いの音を気遣って一つの音楽を支える。全体として密度と広がり、それに精密な鮮やかさが同居しており、素直にレベルが高い。

 

【4】総評

 これはさすがとしかいいようがない。低域から高域まで統一感のあるまとまりになっており、臭みといったものがなく、尖りや刺さりとは無縁。迫力があり緻密さも恐るべきものだが、普通は尖りなどの不快要素を伴いがちな表現力が自然でやわらかく温かみのある聴きやすい音として手渡されてくる。そう、なにか機械的でない、手作りのような音の響き方があり、どんな音楽でも丁寧に聴かせてくれる。

 ほかにない味わいという意味でもこのヘッドセットの魅力は尽きないが、それで音質的に文句のつけようがないのだから、JVCのこだわりに脱帽といった感じだ。

 

JVC HA-SW01 密閉型ヘッドホン ハイレゾ対応 CLASS-S WOOD HA-SW01

 

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B01CN45V6I

〔5色展開〕SoundPEATS サウンドピーツ Bluetooth イヤホン 高音質 aptXコーデック対応【メーカー直販 / 1年間保証】低遅延 外れにくい 耳掛け式 Bluetooth 4.1 + CSR社チップ採用 IPX4防水 IP4X防塵 スポーツイヤホン マイク付き ハンズフリー通話 CVC6.0ノイズキャンセリング 音漏れ防止機能 ブルートゥース イヤホン Bluetooth ワイヤレス イヤホン Bluetooth ヘッドホン Q9A ブラック

 

おすすめ度*1

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ASIN

B01CN45V6I

 イヤーフックつきのやや大きめな台形ハウジングは最近スポーツタイプを中心に流行しているデザイン。イヤーピースは傾斜を伴って耳に深く差し込まれるので装着感はしっかりかつ装着性も高い。

 aptXに対応する。通信性能的にはやや相性があるようで、PC用のaptX対応レシーバーでは通信が非常に不安定で実用性皆無だったが、手持ちのAndroidタブレットやiPhoneのaptX対応機種では遅延や音飛びなどはなかった。

 

【1】外観・インターフェース・付属品

 付属品はイヤーピースの替え、充電用USBケーブル、英語マニュアル、携行ケース。平形コードには全くといっていいほどタッチノイズはなく、スポーツ用途としてはこれも好ましい。

 

 

【2】音質

 音質を一言で表現すれば緻密かつすっきり。細かいところまでかなりきれいに表現するが、それに拘泥しすぎない開放的な距離感とのびやかさも備えており、情報量の多い曲でもガチャガチャしすぎずに圧迫感がなく、爽快感が失われていない。低域はかなり薄味で中高域、とくに中域の充実度と空間表現が巧みなので、全体的に開放的かつ軽妙という味付け。やや軽すぎて走りすぎる傾向もないとはいえないので、細かいところでは好みは分かれるかもしれないが、ダンスミュージック・ポップス・ヒップホップ・ゲームミュージックなどに比較的万能な性能を発揮する。高さもよく出るので空間的な面白みもあり、中毒性はなかなか高い。

 

[高音]:高域もほどよく丸みもあってなめらかにのびるリニア感のあるスムーズな鳴り方(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)

[中音]:中域は緻密だが音の消失はすっきりしているので後味はそれほど強く残さない開放感を伴った音。ピアノや弦楽ともにほどよい色彩とのびやかさ、そしてくどくならずほどよく消失するバランス感覚があって、全体として優等生的な鳴り方。

[低音]:低域はかなりおとなしく、振動も強くなく線に近い細かなもので、50hz以下はとくにおとなしい。おそらくこの締まった特徴が、ドラム音などに弾みを持たせており、熱量を伴いながら反発する弾力を感じさせている。低域重視ではないため量感にはやや乏しいが、存在感はしっかり感じられる低域(分島花音「killy killy JOKER」、UVERWorld「CORE PRIDE」、重低音音源動画でテスト)

[解像度・立体感]:足場はかなりしっかりした床を作るため、全体として三角形に上に高い。体育館の床面のようなはっきりした反響があって、下では上方向に音が上がっていく感覚を感じる。上は天井も高く、女性ボーカルはサビでスルスルとのびやかに上がっていく(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト)

[パーカッション・リズム]:ドラムは軽妙。ハイハットはかなり緻密に粒感が出るので、全体として軽快な印象(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)

[ボーカル傾向]:若干がなる傾向がないでもないが、比較的良質でまるっとした抜けの良い感じの声質になり、とくにアニメ声との相性は良さそう。

 

【3】官能性

 鹿乃「腐れ外道とチョコレゐト」は軽妙なリズム表現の上にかなり変化に富んだ音が盛り込まれ、ガチャガチャうるさくなりやすい曲だが、このイヤホンはそうした情報量過多な表現をこの曲本来の持ち味である軽妙という方向にうまく消化しており、良質。ボーカルにかかるエフェクトと消失感、それに伴う残響感もなかなか秀逸で文句ない。

 Rasmus Faber「銀河鉄道999 JAZZ Ver.」はこのイヤホンで聴くと低域の密度は減って聞こえるので、どちらかといえば軽妙なピアノが主導するステップを踏むような遊び心のある表現。低域は支配的でなく味付けに徹しており、楽しげで茶目っ気のあるボーカルを中心にやや華やかで若干頽廃的な雰囲気に酔える。

 nano.RIPE「ラルミー」はnano.RIPEの曲の中でもややざわざわしやすく、うるさくガチャガチャしがちな曲。このイヤホンはまずドラムが軽快で重たくせず、サビでのボーカルの飛翔をうまく支えて、弾ませていく。ベースの利きも下にエネルギーを一度貯めて上に解放する弾力となっており、下方向に貯まりこんで沈まないために、全体として前向きで力強い曲調がうまく出ていて、ヤマ場でやや過剰になるハイハットなども耳障りにならない軽快なものになっている。

 歌組雪月花「回レ!雪月花」は緻密に出し過ぎてしまい、ややリズムが硬く、全体として硬質になっている印象であり、元々ボーカルと楽器が絡み合う独特のグルグルした回転の感じられる中毒性が魅力である部分が強く出過ぎて、ボーカル周りに音が集中しすぎ、目を回すくらいめまぐるしくなってしまっている。中毒性がかなり高いので、うるさすぎないが、人によってはくらくらするくらい過剰になっている。

 

【4】総評

 高い装着性とタッチノイズのないケーブル、一部相性はあるようだが全般的に安定的な通信性能とスポーツ向けワイヤレスイヤホンとしてはかなり理想的であり、コスパは文句ない。音質的にも繊細さと開放感を兼ね備えた比較的万能なもので、低域は量感自体には乏しいものの、それを補ってあまりある弾力性を持っていて、軽妙で明るいアニメソングには強く、JAZZも遊び心の強い曲を中心に楽しめる。ダンスミュージックやシアトリカルな表現の入るゲームミュージックにも向き、ごくまれに表現が行き過ぎてしまうところがあるものの、ほぼ万能といってよい聞き心地は万人向けに近い。ほとんどハズレがないという意味でかなりおすすめである。

 

 

 

【5】このイヤホン向きの曲

 寂寥感のある導入、華やかさを増してシアトリカルになっていく中盤以降までうるさくなるところなくスムーズな流れで導いてくれる。曲の展開によって情感を溜めるゲームミュージックや映画音楽を楽しむにはこのイヤホンは持って来いだ。

 

 この曲はイヤホンによっては重苦しくなりすぎたり、逆に低域が軽くなりすぎて薄味になったり、ノイズ感がうまく出なくてあっさりしすぎることがある。しかしこのイヤホンは低域を軽快な弾力で表現するので一定の緊張感を維持しつつ開放的なものにしており、同時にノイズ感は緻密に表現してフレーバーとしての焦燥感や心のざわつきを余すところなく伝えており、価格帯を考えると、うまいとしか言いようがない。

 

  やや過剰な弦楽の色彩感はうまく出ており、そのうえで全体として弾みのあるパーカッションの表現が、青春期独特のわくわく感、冒険心、自己充足感を思い出させてくれる。ボーカルものびやかに出ていて、明るく元気。

 

  名曲「ハッピーハミング」もなかなかよいが、ネット上に良質な音源が見つからなかった。ロンドンフィル版だが、中盤の「ハッピーハミング」部分はやや味気ない。とはいえ逆に前半のオーケストラ版「木漏れ日の中で」はこのイヤホンで聴くとうららかな陽光から風のそよぎ、それに合わせて踊る草花の香しい呼吸さえ聞こえる。価格を考えれば、まさに秀逸。

 

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*1:おすすめ度とは、あくまで主観的に「ここが面白い!ここが味わい深い!」と思ったポイントです。たとえば低域が「5」だからといって低音が支配的で低域重視で鳴りますというわけではなく、「低域の表現が丁寧でうまいなぁ」とか「これはちょっと他では味わえないかも」といった特徴的な音、魅力的な音がポイント高めになります。そのイヤホンの販売価格帯も考慮した主観的な評価です。